スタジオジブリの人気アニメ『となりのトトロ』。
誰もが一度は観たことはあるのではないでしょうか?
1988年4月の劇場公開から32年が経過した現在も根強い人気です。
「猫バス乗りたい!!」とか、「トトロのお腹に乗ってみたい!!」なんてワクワク思ったりしませんでしたか?
【となりのトトロ】ポスターの女の子は誰?サツキとメイが合体?ポスターの謎とは?
『となりのトトロ』のポスターと言えば、バスの停留所で雨に濡れながらバスを待っているトトロの隣で、傘をさしてている女の子。
たしか映画の中では、サツキちゃんがメイちゃんをおんぶしながら傘を背中に乗せている状態だったハズ・・・。
・・・。
しかし、トトロのポスターには衝撃の「謎」があったのです!!
トトロのポスターの女の子は誰??
下のポスタービジュアルは、劇場パンフレットや、DVDのジャケット、「金曜ロードSHOW!」の番組紹介などでも使われているので馴染みはありますね。
しかし、今一度こちらのポスター画像をご覧ください。
メイちゃんをおんぶしていませんが、なんとなく恰好からすると「サツキちゃん」ですよね。
しかし、こちらのポスターの画像をよーく見ると・・・。
あれ?
やはりサツキちゃんではないですね・・・。
顔はメイちゃんにも似ているような・・・。
お迎え用の傘は持っている物の、こんな子出てたっけ?って感じですが・・・。
ハフポスト日本版によりますと
ポスターに描かれているのは、「稲荷前」と書かれたバス停の前の様子だ。葉っぱを頭に乗せたトトロの隣に、赤い傘を差した二つ結びの少女が立っている。
この少女は劇中に登場するメイともサツキとも、微妙に姿が違う。顔はメイに似ているが、頭身と年齢はもう少し高そうだ。服装はオレンジ色の吊りスカートで、劇中でサツキが着ているものだ。
いったいどういうことなのでしょうか?
サツキちゃんの洋服を着ている別の女の子??
主人公はもともと一人の女の子だけだった?
『となりのトトロ』の原型となったのは、1975年に宮崎監督が描いた3枚のイメージボードだったのだそうです。
この時にはすでに、バス停でお父さんを待つ少女と、頭の上に葉っぱを載せた謎の生き物が描かれていたそうです。これがのちの「トトロ」になるわけですね。
このときは絵本にするつもりで、主人公の少女は1人だった。
トトロは絵本になる予定だったようです。
その後、1986年末から『となりのトトロ』の制作が本格的に始まると、宮崎監督は主人公の少女を2人の姉妹に設定変更した。
その理由は、同時上映される『火垂るの墓』(高畑勲監督)の上映時間が予定より延びたことに伴い、『となりのトトロ』の上映時間が延びたことが理由だったという。
どうやら『火垂るの墓』が同時上映されていたのですね。
『火垂るの墓』の上映時間が延びたことに伴い、トトロの上映時間が延びた・・・?
いったいどういうことでしょうか?
「ジブリの教科書3 となりのトトロ」(文春ジブリ文庫)の中で、製作委員会のメンバーだった鈴木敏夫さんは
『となりのトトロ』は本来、女の子とオバケの交流で、その女の子は一人だったんですが、高畑さんへの対抗心に燃えた宮さんは「映画を長くするいい方法はないかな」と言い出して、それで一人の女の子を姉妹にすることを自ら思いつくんです。
サツキとメイは、宮崎駿の負けず嫌いの性格から誕生したのです
なになに??
高畑監督に対抗心を燃やして映画を長くするためにサツキとメイを登場させたということですか??
えーーー??(笑)
でも結果、姉妹のなんとも言えない「お姉ちゃん」の立場と「妹」のそれぞれの感情がどちらも分かる!という作品になっています。
それから映画公開前の1987年ごろに、宮崎監督が『となりのトトロ』のポスターの原画を描いたのだそう。
『となりのトトロ』の制作デスクを務めた木原浩勝さんの著書『ふたりのトトロ』(講談社)によりますと、第2稿まではサツキとトトロが並んでいたそうなのですが、第3稿になって、サツキでもメイでもない少女が描かれたのだそうです。
バス停で待っているのがサツキ1人でいいのか……という問題があったが、宮崎監督は「サツキとメイの二人がトトロと並ぶのは、どうしても違う」と主張。その結果、二人の特徴を併せ持つ少女が描かれることになったのだという。
視聴者としては、映画の中にあるように、サツキとメイとトトロで良いのでは?と思っちゃいますが、宮崎監督は強いこだわりがあったようですね。
そして、木原さんは
ポスターの少女をサツキだと思っている人、メイだと思っている人がいると思うが、実のところどちらでもないといえるし、どちらでもあるともいえるキャラクターだ。
つまり一種の合成キャラクターとでもいえばいいだろうか?
具体的にいえばサツキより低くメイより高い身長。服装はサツキ。
肩から上(顔立ちや傘の色)はメイとして決定される。
どうやらポスターに描かれている女の子は、サツキとメイの一部が合体された女の子のようです。
映画に登場しないキャラクターを使ったポスター画など前代未聞だと思った
このこだわりこそが宮崎監督なのでしょうか?(笑)
まとめ
スタジオジブリの人気アニメ『となりのトトロ』。
1988年4月の劇場公開から32年が経過した現在も根強い人気です。
しかし、何気なく見ていた『となりのトトロ』のポスターには謎が隠されていたのです!!
ポスターに描かれているトトロの隣で立っている女の子はサツキでもメイでもありませんでした。
そして、ストーリーとして最初は主人公は姉妹ではなく女の子一人だったのですが・・・。
『となりのトトロ』が、高畑監督の『火垂るの墓』が同時上映となり、『火垂るの墓』の上映時間が延びたことから、宮崎監督がトトロの上映時間が長くなる方法は?と考えます。
そこで考え出されたのが、主人公の女の子を二人にして、姉妹のキャラクターにすることだったのです。
つまり、宮崎監督が高畑監督に対抗心を燃やしたために誕生した二人の姉妹だったのです!!
そして、これまた宮崎監督の(頑固な?)こだわりから、ポスターには肩から上は「メイ」、服装などは「サツキ」という女の子が描かれたのです。
隠れキャラ的なこんな「謎」を知ると、また違った意味で興味が湧いてきますね。
時代の変化で、出てくるものは「昔」になっていっているのかもしれませんが、ひとたび観だすと子供心に抱いたワクワク感を思い出しちゃうかもです。
たまには童心に返って「となりのトットロ♪」と歌いながら「トトロのお腹のフワフワってどんな感じかな?」とか「まっくろくろすけ出てきそう」なんてひそかに思うのも良いのではないでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!